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地域ビジネスの検索エンジン対策

これは、テクノ工務店という架空のリフォーム会社のお話です。

テクノ工務店は、東京駅から快速で30分ぐらいの距離にあるA市の住宅街にあります。

A市の人口は、約15万人。
、駅前にはマンガ喫茶やカラオケ屋、居酒屋が並んでにぎわっていますが、繁華街を抜けるとすぐにマンションと一軒家が立ち並んでいる、いわゆる、ベッドタウンです。
テクノ工務店は、5年ほど前にホームページを立ち上げ、そこから安定して売り上げていました。

テクノ工務店のHPは、といったキーワードで検索すると、だいたい上位に表示され、新規客の大半はそういったキーワードから問い合わせをしてくれました。

ただ、テクノ工務店の社長は、不満でした。
工務店は、お客さんのお宅に出向いて仕事をするのだから、別にA市だけにこだわる必要はありません。
隣のB市や、C市だって、営業範囲です。
だから、「B市 リフォーム」とか、「C市 修繕」といったキーワードでも検索結果の上位に表示されたら、もっと新規客が増えるのに。

よし、須藤さんに聞いてみよう。
携帯ポチポチ・・・

社長「ねえ、須藤さん。うちのHPって、A市が絡むキーワードで検索すると上位に表示されるじゃないですか」
私「ええ、そうですね」
社長「それでね。B市とかC市で検索したときにも上位に表示させることってできないですかね?」

これは、架空の物語ですが、このような質問はしょっちゅう受けます。

要するに、自社の営業エリア内の地名は全て検索結果に載って欲しい。
というわけです。
おそらく、去年だけでも10人ぐらいの社長さんから同じような質問をされました。

その気持ちはとても分かります。
しかし、結論をいうと、不可能です。

たとえ近隣であっても、自社の所在地以外の地名で、自社のHPが検索結果に表示されることはまずありません。
なぜか。

考えてみれば当たり前です。

もしあなたが、「新宿駅の近くに美味しいラーメン屋知らない?」と誰かに聞いて、「池袋に美味しいつけ麺の店があるよ」と返事されたら、どうでしょうか。
「新宿」って聞いてるのに、「池袋」って返されたら会話が成立しません。

私だったら、頭大丈夫か、とまで思います。

グーグルも、その点に忠実です。
頓珍漢な結果を見せたら、ユーザーから、「こいつ、頭大丈夫か?」と思われることをよく分かっています。
だから、「B市 リフォーム会社」と検索されたら、グーグルはB市に住所があるリフォーム会社を優先して検索結果に反映させます。

ほんと、当たり前の話なんです。

いや、でもね。でもでもね。

B市も営業範囲なんだよ。
そっちでも商売したいんだよ。
B市にだって、ウチを必要としてくれる
お客さんだっているはずなんだ。

そう思う社長の気持ちはとても、よく分かります。
というか、そう考えない社長は商売のセンスがないとも言えます。

じゃあ、どうすればいいのか。
方法はあります。

やり方は色々あるのですが、やってはいけない方法を一つ、あまりお勧めしない方法を一つ、推奨する方法を二つ紹介します。

所在地以外の検索結果をコントロールする具体的な方法

(1)地名以外ほぼ同一の誘導ページを大量に作る

これは、やってはいけない方法です。
狙った地名で検索結果に表示されることを目的に地名だけを差し替えたページを大量に作るという方法が昔からあります。
この手法は「誘導ページ」と呼ばれ、グーグルのガイドラインに違反しておりスパム行為とされます。
最悪の場合、グーグルの検索結果からサイト全体が表示されなくなるというペナルティを受けます。

参照 https://webmaster-ja.googleblog.com/2012/01/doorway-page.html

やってはいけない方法です。

(2)営業エリアの地名を羅列する

あまりお勧めしない方法です。

サイドエリアやフッターエリアに、自社の営業エリアを大量に羅列するというのも古くからある手法ですが、これはやってはいけないとまでは言わないものの、お勧めしない方法です。
グーグルは、<キーワードの乱用>をガイドライン違反としており、次のような例を挙げています。

「ウェブページが特定の市町村や都道府県に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために市町村名や都道府県名を羅列したテキスト。」
参照:https://support.google.com/webmasters/answer/66358?hl=ja

もちろん、実際に営業している範囲を明記するのはユーザーのためにもなるので、必要以上にSEOを意識し過ぎなければ、問題はありません。
ただ、サイドバーに地名を羅列したからといって、よほど競合が少ない業界でもないかぎり、そのキーワードで検索結果の上位に表示されることは、まずありません。

(3)実績を地域別にカテゴリー分けする

これが、お勧めの方法の一つ目。
A市、B市、C市にそれぞれお客様がいて、実際に商品やサービスを提供したのなら、その実績(成功事例やお客様の声)を地名ごとにカテゴリー分けしてまとめる
という方法です。
これは、地域ごとにきちんと有益なコンテンツがあるので、(1)の誘導ページには当てはまりません。
私のクライアントさんのリフォーム会社も、地域ごとに施工事例をまとめることで、結構マニアックな地名で検索されたときに検索結果に表示され、受注につながっています。

(4)広告を出す

これが一番おすすめ。
自社の住所以外の地名では、そのキーワードにお金を払って広告を出す。
ビジネスとして、実にまっとうな方法です。
いうなれば、お金を払って、国道沿いに看板を立てたり、隣の駅にポスターを払うのと同じです。
お金を払うといっても、第三者の怪しいSEO会社に支払うのではありません。

グーグルの検索広告にお金を払います。
グーグルの広告を使えば、A市の会社が、B市でもC市でも、なんならアメリカのロサンゼルスにでも広告を出すことができます。

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