B2Bのコンテンマーケティング:信頼を生むのは“人の言葉
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BtoBの集客は、広告を出すだけでは成果が続かず、最終的に信頼を得るには「どんな会社なのか」が伝わるコンテンツが欠かせません。これまで多くの企業を支援してきた中で感じるのは、「信頼は一瞬で得られるものではなく、積み重ねでできる」ということです。
信頼をつくるのは“蓄積された情報”
BtoBでは、検討期間が長く、社内の複数人が関わるのが一般的です。だからこそ、企業が発信してきた情報の厚みがそのまま信頼につながります。
ランディングページ1枚で決まることはほとんどなく、見込み客はブログや事例、代表の考え方まで読み込んで「この会社なら安心できそう」と感じて問い合わせをくれます。
AIが何でも書ける時代だからこそ、現場の声や実際の経験が価値を持ちます。リアルな体験に基づいた言葉こそ、読み手の心を動かすと感じています。
ブログから生まれた問い合わせ
私自身、何年も前に書いた記事がきっかけで問い合わせをいただくことがよくあります。ある方は事例記事を読み、そこから過去のブログまでさかのぼって読んでくださり、「この会社に頼もう」と決めてくださったそうです。
これはSEOのテクニックというより、「知りたい人にちゃんと寄り添う情報」が信頼を積み重ねていった結果です。
成功談だけでなく、うまくいかなかった話やそこからの気づきを書くと、読み手によりリアルに伝わります。
小さな会社でも始められる3ステップ
- 社長ブログを始める
テーマは難しく考えなくてOKです。最近感じたこと、業界の変化、お客様対応での気づきなど、日常の中にネタはたくさんあります。 - 過去の仕事を事例としてまとめる
実名を出せなくても、「どんな課題があって、どう解決したのか」を書くだけで十分です。プロセスにこそ価値があります。 - 続ける仕組みを作る
月1回でも構いません。会話を録音してスタッフがまとめるなど、手間を分担して続けることが大切です。
一度にバズる記事を狙う必要はありません。続けていくことで自然と信頼が積み上がっていきます。
続けるためのコツ:全員で取り組む
多くの会社が続かない理由は、「担当者まかせ」にしてしまうからです。私が勧めているのは、全員で少しずつ関わる“参加型”のやり方です。
- 録音→文字起こし→編集で効率化
会議や商談を録音しておくだけで、そこからブログや事例、動画まで作れます。 - 役職ごとにテーマを分ける
経営者・総務・現場責任者など、立場ごとに視点を分けると記事の幅が広がります。 - 編集ルールを簡単に共有
語尾の統一や専門用語の扱い方などをA4一枚でまとめておくと、迷いが減ります。 - 月ごとの計画と週ごとのチェック
「事例2本+社長コラム1本+FAQ1本」を月初に決めて、週1で進捗を確認。金曜に1本公開するリズムが理想です。 - CTAは1つだけに絞る
記事の最後には「資料請求」や「15分相談」など、行動を1つに絞ると成果が安定します。
BtoBに効く指標(KPI)を決める
コンテンツの効果を測るときは、すぐの成果よりも「どれだけ深く検討されているか」を見るのが大事です。
- 社名・サービス名の検索が増えているか
- 再訪率・回遊率(何ページ見ているか)
- 滞在時間・スクロール率
- 問い合わせ前にどんな記事を読んでいたか
これらを月ごとに見直し、読まれているけど成果に結びつかない記事を改善していきます。タイトルを変えたり、CTAを見直したりするだけでも結果は変わります。
よくあるつまずきと解決法
- 担当者まかせで続かない → 録音を起点にチームで分業する。
- バズ狙いで方向がずれる → 本来の読者(ペルソナ)に戻る。
- 事例が自慢話になる → 課題と失敗も正直に書く。
- 専門用語ばかり → わかりやすく書き、補足は脚注で。
- 更新が止まる → 月1本でも出す。空白期間を作らない。
まとめ:人の言葉が一番伝わる
BtoBでは、信頼の積み重ねがすべてです。企業の強みやサービス内容よりも、「どんな人たちが関わっているのか」が伝わる言葉にこそ力があります。
完璧な文章でなくて大丈夫です。自分たちの言葉で、日々の気づきを少しずつ発信していきましょう。その積み重ねが、1年後には大きな信頼につながります。