店舗集客で使える宣伝広告の種類、費用、効果を比較
目次
「広告を出さずに商売をするのは、暗闇で灯りもつけずに営業するようなもの」
商売の神様と言われた邱永漢の言葉です。
世の中には、マンションの一室で看板も出さずに営業して、1年先まで予約が埋まっている超高級フレンチシェフがいるという話も聞きますが、それが上手くいくのはほんの一握り。
普通の商売は、宣伝をしなければ客は増えません。
広告で客を集める。利益を増やす。利益を広告費に使う。
このサイクルが出来上がると、商売はどんどん大きくなります。
とはいえ、広告はお金がかかるし、その効果も前もってわかりません。
また、業種によって使うべき広告も違うはずです。
そこで、ここでは、小さなお店や中小企業が使いやすい広告の種類と、効果、費用をいくつか紹介します。
折り込みチラシ
特徴
大手新聞や、地域新聞の配達と一緒に配布するチラシのこと。
配布地域を細かく指定することができるので、近隣地域に根ざしたお店は特に有効。
最初に作るときは制作費用がかかってしまうが、同じチラシを使いまわすのであれば、それ以降は必要なし。
ただ配ればいいというものではなく、掲載するオファーやキャッチコピーで反応率が大きく異なる。
メリット
インターネットを利用しない人に届けることができる
地域を絞り込むことができる
競合と比較されにくい
デメリット
配布して数日以内に効果が消える
広範囲に配るにはコストが大きい
他のチラシと一緒にまとめて捨てられることがある
費用相場
デザイン料:5万円~
印刷費用:3万円~/1万枚
配布費用:2万円~/1万枚
ポスティングチラシ
費用相場
デザイン料:5万円~
印刷費用:3万円~/1万枚
配布費用:6万円~/1万枚
メリット
インターネットを利用しない人に届けることができる
地域を絞り込むことができる
競合と比較されにくい
新聞を取っていない人に届けることが出来るため今まで未開拓だった層へアプローチすることが出来る。
フリーペーパーや折込チラシのようにまとめて捨てられることがない
デメリット
配布して数日以内に効果が消える
広範囲に配るにはコストが大きい
折込チラシよりもコストが大きい
DM(ダイレクトメール)
郵便を利用して、ハガキや手紙でメッセージを届ける広告。住所を知らないと送ることができないので、既存客か、なんらかの方法で住所を教えてもらった見込み客に送ることが一般的。
費用相場
デザイン料:2万円
印刷料金:2万円/1000枚
郵送費用:5万2千円/1000枚
メリット
ターゲットを細かくしぼりこみ、強いメッセージを届けることができる。
何回も送ることで相乗効果を得ることができる
デメリット
送付先のする住所を知っている必要がある、
ポスティングチラシや折込チラシに比べて費用が高い
ティッシュ配り
駅前などでティッシュを配布し、そこに割引券などの広告を掲載する宣伝手法です。
費用相場
デザイン料:2万円~
制作費:4万円程度:1万個(@4円~)
配布費用:2万円(10秒に1個配るバイトを時給800円で雇った場合)
メリット
チラシとは違い、そのまま捨てられてしまうことが少ない
使用するたびに広告が目に入る
ターゲットの地域を絞ることができる。
デメリット
配布コストが高い
自前で配布する場合は人員が必要となる
季節によって効果にバラつきがある
性別や年齢などで絞るとコストが膨らむ
口コミ
特徴
口コミ以上に強力で効果のある宣伝はありません。
テレビCMや雑誌のレビューで素晴らしい商品だと盛んに言われても全く興味はひかれませんが、友人からひと言「あれ、よかったよ」と言われれば翌日すぐに買う人は少なくありません。
口コミは、友人知人同士の会話の中で広がるだけでなく、現代ではSNS(ツイッター、ライン、フェイスブック)や、ネット掲示板からも広がります。
メリット
・お金がかからない
・優良客が集まる
・購買意欲が高い客が集まる
デメリット
・口コミが広まるまで時間がかかる
・悪い噂も一緒に広まる
・口コミをコントロールすることはできない。
費用相場
0円
駅張り広告
特徴
駅構内の掲示板や壁にポスターを掲示する広告です。
その駅を利用する地元の人間に広告を見せることができます。
飲食店、病院、治療院、美容室など、商圏が狭い店舗ビジネスに向いている広告です。
メリット
・広告を見せるターゲット地域を細かく選べる(その駅を利用する人は、その街で生活している人)
・費用に対して、露出数(広告を目にする人数)が大きい
デメリット
・広告が目に入っても意識して読んでもらえない。
・地域以外にターゲットの属性を選ぶことができない
・その場で行動(問合せ・予約)をしてくれることはない。
費用相場
千葉県内のJR線で規模の大きい(Aランク)駅の場合(西船橋、船橋、津田沼、千葉)
B2サイズ | 一週間 21,500円 |
---|---|
B1サイズ | 一週間 38,000円 |
B0サイズ | 一週間 76,000円 |
フリーペーパー
特徴
フリーペーパーとは駅やカフェなどに設置されている無料の情報誌のことです。
割引クーポンなどを掲載することで、来店を促すために使います。
フリーペーパーを手に取る人は、少なくとも、何かしらの情報を求めている人なので、広告効果は高いと考えられます。
メリット
・集客力が強い
・短期集中的な集客ができる
デメリット
・掲載期間が終了すると効果が消える。
・割引を強いられるため、利益率に影響が現れる
・割引目的のいわゆるバーゲンハンターが増える
・リピート客になりにくい
・同時掲載されている競合と比較される
費用相場
掲載料金:5万円~/1回
(地域やメディアによって異なる)
商工会議所を利用する
商工会議所では、会員に配布する機関誌や、提携する広告スペースにポスターを張ることができることがあります。
ザ・ビジネスモール
ザ・ビジネスモールとは、全国の商工会議所などが共同運営する企業情報サイトです。
商工会議所に加盟していると、無料で自社をPRする、取引先を探すといった使い方できます。
習志野市商工会議所
・会報へ広告を同封
・JR津田沼駅の駅張りポスター(1区画1週間1,000円)
電柱広告
町中の電柱に広告を出します。
広告費は、地域や交通量によって変動します。
文字数に制限があるため、シンプルな店舗の道案内に使われることが多い広告です。
費用相場
製作費:12000円/1個
掲載費:1600円~3000円/1ヵ月
千葉県習志野市谷津の電柱に一か所掲載した場合
初年度:製作費12,000円+月額広告料2600円×12ヵ月=43,200円
二年目以降:月額広告料2600円×12ヵ月=31,200円
ファックスDM
ファックス番号を公開している事業者あてに、ファックスで広告を配信します。
ファックス番号のリストとファックス送信業務は、専門の業者を利用します。
BtoBに適した広告手法です。
メリット
・比較的広告費が安い
・配信する業種、地域を細かく絞れる
・多量の広告を一斉に配信できる
・チラシのように美しいデザインは必要ない
デメリット
・反応率が低い
・クレームにつながることもある
・BtoCには向いていない
・白黒のA4サイズなので伝えられる情報量が少ない
費用相場
1枚あたり5~10円程度。
3000件に一斉送信した場合、15000円~30000円程度。
ホームページ
特徴
今の消費者は、検索して商品を詳しく調べてから購入するのが当たり前です。
他の広告(折り込みチラシやフリーペーパー)であなたの存在を知った人もまずは検索。
その意味では、ホームページがないことは、この世に存在しないと同じだと言えます。
特に若い人をターゲットにしている商売ならば、他のどの広告を始めるよりも、まずはホームページを作ることが最優先だといえます。
メリット
・費用対効果が優れている
・継続的に運用することで効果を改善する余地がある
・掲載するコンテンツ(文面や写真など)を無限に増やすことができる
・問い合わせなどを、半自動化できる。
デメリット
・ネットを利用しない人(特に高齢者)に届かない
・継続的に固定費がかかる
・同業他社と比較される
費用相場
制作費:30万円~
オンライン広告
特徴
インターネット上に掲載する広告です。(インターネット以外の広告がオフライン広告)
広告費はユーザーがクリックするたびに発生する仕組みが主流です。その1クリックあたりの単価はキーワードや掲載場所よって異なり、競争が激しい分野では1クリック数百円から数千円に高騰することもあります。。
年齢、性別、地域、興味関心など、ターゲットを細かく絞り込むことができ、結果を数値で補足できることが大きな特徴です。
費用相場
広告費:月5万円~無制限
メリット
ターゲットを細かく絞り込むことができる
広告予算を管理しやすい
広告の反応をテストできる
結果を数字でチェックできる
デメリット
競合が多い
競合と比較されやすい
ネットを使わないターゲットには届かない
(参考:お店・地域ビジネスに集客するオンライン広告の使い方)
動画広告
特徴
PR用の動画を用意し、主にyouTubeに出稿する広告です。
動画、映像が伝えることができる情報量は紙媒体の数倍になると言われています。
映像制作に費用がかかるものの、一度作ってしまうと動画配信費用がそれほど高くないため、今後、普及すると見込まれる広告です。
費用相場
動画制作費:20万円~
配信費:5万円~/30秒以上の視聴を1万回
メリット
地域や年齢層、興味、関心などを細かくセグメントできる。
情報伝達量が多い。
デメリット
BtoBビジネスには向かない。
YouTubeを観ない層に届かない。
ライン@
特徴
ビジネス用のラインアカウントを取得し、お客さんに情報発信をすることができます。
現在、最も接触率の高いツールとして注目されています。
→ラインビジネスアカウント
メリット
メルマガよりも読まれやすい。
コストが安い(1ヵ月に1000通まで無料)
デメリット
ラインに友達登録してもらう仕組みが難しい
下記の業種では利用できない。
◆いずれのアカウントも利用できない方
1.ネットワークビジネス、モニター商法、内職商法等、無限連鎖講およびマルチ商法に関するか又はこれらに類似し若しくは類似するおそれのある業種
2.自己啓発、啓発セミナー、自己の潜在的な技術、能力などを高めることを目的とした商品やサービスを提供する業種
3.キャバレー、ショーパブ、セクシーパブ、キャバクラ、スナック、クラブ、ホストクラブ、ゲイバー、ガールズバー等の飲食店、ソープランド、ファッションヘルス等の風俗店、アダルトショップ、アダルトビデオ販売等のアダルト関連、パチンコ、パチスロ等のギャンブル関連、その他の風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律に基づく許可又は届出を要する業種又はこれらに類似し若しくは類似するおそれのある業種(※ただし、一部の飲食店、ゲームセンター等、当社が認めたものを除く)
4.他人の個人情報、登録情報、利用履歴情報などの違法または不正な売買・仲介・斡旋等を行う業種
5.薬物や凶器の売買・仲介・斡旋等、違法行為ないし犯罪行為を構成し又は助長するおそれのある業種
6.刺青、タトゥ等、一時的ないし永続的に、人の身体に対して人工的に色素を沈着させる行為を行う業種
7.加持祈祷、開運祈願、魔除け、霊媒等、人の宗教感情や信仰心に直接ないし間接的に働きかける行為を行う業種(※ただし、当社が認めたものを除く)
8.面識のない異性との交際を希望する者に、場所や機会を提供する業種(※ただし、当社が認めたものを除く)
9.医師法、薬事法、美容師法、景品表示法等、法律、条例等の法規一般、公序良俗に反する行為を行っている若しくは行うおそれのある業種
10.その他、不適切と判断した業種