「AIで作れるなら制作会社はいらない」のか——AI時代のウェブ制作会社の価値
ウェブ制作がAIで簡単にできるようになったから、「もう制作会社はいらないじゃん」という話をされることがあります。
ちょっとそれは、簡単な話ではありません。AI時代の制作会社の価値について書きます。
まず「どんなホームページを作るべきか」がある
ホームページといっても、いろいろあるわけです。求人のためのものだったり、会社案内のためのものだったり。目的に合わせた構造があります。
どんなページを作るのか。誰が見に来るのか。それがわからないと、そもそも企画が立てられません。この企画の部分が最初にあります。
次に「何を書くか」がある
ページに何を書くか。文章です。いわゆるコピーライティングに入る部分で、知識がないと作れないところです。
もちろん、文章が決まっているならそれでいいのですが、そこを書くのは結構大変だったりします。
そして「素材」がある
素材を集めるのが、また大変です。
データで作れると言っても、「作って」と言ってガラガラポンで出てくるものと、ちゃんとデザイナーが考えて、写真を撮影して、動画を使って作るものとでは、また全然違います。
我々もAIをコーディングに使っている。それでも変わらない部分
私たちホームページ制作会社も、コーディングにはAIを使います。
けれどそれは、家を建てるのであれば「建てる部分」が自動化されたということです。建てる部分はかなり早くなりました。
でも、素材や材料をどうするか。そもそもどんな家を建てるのか。どんな間取りにするか。どんな小物を置くか。そういう設計や企画の部分。そして、それを使い続けるときの運用——担当者が何人いて、誰が記事を書くのか、状態をチェックするアクセス解析を誰が見るのか。
そういうことは、人がやらなくてはいけません。
ここは、たぶん未来永劫AIにはならない
なぜかというと、それはその会社そのものだからです。
会社の目的そのものであり、経営、会社運営そのもの。商売の本質そのものです。
- 何を書くか
- 何を伝えるか
- 誰に伝えるか(ターゲット)
- どう見せるか、何を見せるか
これらは会社の経営方針といったものの類ですから、そこをAIに頼むというのは、ちょっとできないと思います。
では、AIで費用はどこまで下がるのか
ホームページ制作の工程は、こういう流れです。
- 打ち合わせをして、どんなサイトを作るのかを決める
- 構造を作る
- 文章を書く。写真を送る
- デザインを作る
- デザインが完成したらコーディングする
- サーバーで動作チェックをする
費用の内訳で言えば、デザイン費用、コーディング費用、ディレクション費用です。
コーディングの実装部分は、これまで30万円くらいしていたと思います。そこはたしかに、AIでかなり楽になりました。ディレクションの進捗管理も楽になっています。
でも、「AIができたから10万円でできますよね」というものではありません。
やり始めた人がお金をかけているのは、最初の企画です。打ち合わせをして、どんなサイトを作るのかを決めて、構造を作って、文章を書いて、写真を用意する。ディレクションの費用、企画の費用が一番高い。ここがホームページ制作の中心です。
家づくりと違うのは材料費がないことくらいで、その代わりに設計者が設計する部分がある。打ち合わせをして「どう作りますか」と決めていくところは、ディレクションの範囲です。
まとめ
AIによって、建てる部分は自動化されました。そこは本当に楽になりましたし、我々も使っています。
けれど、何を作るか・誰に何を伝えるか・どう運用していくかは、会社そのものの話です。ここが残っている限り、制作会社の価値はなくなりません。